シンギュラリティー×ものづくりビジネス

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Interview

AI時代と3Dプリンターが「ものづくり」に与える影響や可能性など、
湯本社長とDDDロボのYumo-Dが対談しました。

Yumo-Dが湯本社長にききました

Yumo-D Yumo-D

ミナサン、こんにちは。ボク、Yumo-D(ユモディー)クン。
ロボでも、いつかものづくりをやってみタイ!
今日は、ベンキョウしたくて湯本電機サンに来てみたノデス!
「ものづくりの未来」について、湯本電機の湯本シャチョーにお話を聞いてミマシタ。

Yumo-D Yumo-D

湯本シャチョー!こんにちは。
たくさん質問させてくだサイネ!

湯本社長 湯本社長

こんにちは!Yumo-D君。
質問、楽しみにしていましたよ。

3Dハイブリッド加工とは…?

Yumo-D Yumo-D

湯本電機サンでは、3Dプリンターを使って「3Dハイブリッド加工」っていうのをされてると聞きマシタ。
カッコイイ名前ですが、どうしてやってみようと思ったのデスカ?

湯本社長 湯本社長

「3Dハイブリッド加工」というのは、3Dプリンターの強みと、湯本電機の加工技術の強みを合わせたワンストップの加工方法なんだよ。
3Dプリンターは、設備とデータさえあれば、誰でもできてしまう。
ただ、湯本電機でやってきた切削加工の技術で差別化できると考えたので始めました。
3Dプリンターだけでは出せない精度・表面加工などを加える事に私たちの存在意義があると考えています。

Yumo-D Yumo-D

ナルホド!
ものづくりの強みも弱みもわかっているカラ、はじめられたコトなのですね!
フムフム…(メモメモ…)

Yumo-D Yumo-D

シャチョー!ボク、作りたいもののお絵かきしてきマシタ。
あとはどうすれば、3Dプリンターで作ってもらえマスカ?

湯本社長 湯本社長

うーん、もう少し詳しく書いてもらえればできるかな。
基本的にはすべて3Dのデータにしなければいけないので、サイズの数値がわかるならば何でもできます。
たとえば単純な形状なら、「○mmの立方体」というようなテキストからでも作れます。
しかし、自由曲線(3D形状)のものが複雑なものは難易度が上がります。
Yumo-D君が書いてくれたような2D図面でも、寸法や角度までが細かく記載されていれば、3Dデータを作る事ができますよ。

Yumo-D Yumo-D

ワカリマシタ!
細かく測って書いてみマス!

Yumo-D Yumo-D

ちなみに、「3Dハイブリッド加工」で、これは湯本電機にマカセテ!っていう得意なものはありマスカ?

湯本社長 湯本社長

湯本電機の得意なものですね。
たとえば、積層(溶かした樹脂を層のように積み上げていく)
作るものは、空中には積層できないため、形状によって「サポート」と呼ぶ、支えのようなものを一緒に形づくらなければいけません。
それを後からきれいに取らないと本来の形にならないのですが、その加工などはもちろん得意な技術です。
複合的な加工が必要で精度が重要なもの、例えば穴にぴったり収まるような部品なども強みが出せると思いますよ。

Yumo-D Yumo-D

サスガ…!3Dプリンターで自由に作れるのに、精密に仕上がるのデスネ!
ボクにピッタリのカッコイイ部品も作ってもらいタイ!

Yumo-D Yumo-D

シャチョー。
そのほかに、普通のお家で使うようなモノも、お願いできるのデスカ?

湯本社長 湯本社長

もちろんできますし、依頼していただければ有難いです(笑)
ただ、一般的にお店で売っているものは大量生産品で安価になっているため、オーダーメイドで作成するとその分高価になります。
でも今まで実際に、もう作られていない部品がどうしても必要な方ですとか、たとえばクラシックカーや変わった形状のカメラの部品など、こだわりのものに使う部品などは、ご希望を伺っていますね。

Yumo-D Yumo-D

オーダーメイドでも作りタイ…!
という人は湯本電機サンに相談デスネ!

Yumo-D Yumo-D

3Dプリンターで、
「こんなものも作っちゃうノー?!」みたいなものはありマスカ?

湯本社長 湯本社長

意外と多く作られているのは、「治具」と呼ぶ加工や組み立ての時に使うものや工具類ですね。
他には換気ダクトなど、汎用的なものは使えない特殊な形状が必要な場合に、3Dプリンターなどでオーダーメイドで作る事になります。

Yumo-D Yumo-D

湯本電機サンの「3Dハイブリッド加工」では、今はどういうモノを作っていマスカ?
それから、今後は何を作ってみたいデスカ?

湯本社長 湯本社長

今は生産前の試作品(プロトタイプ)を作る事が多いですが、徐々にロボットの部品や、ものを軽量化するための部品を作る事が増えてきています。
次のステージとしては、プロトタイプだけではなく、実際に組み込まれて使われる部品も3Dプリンターで作られていくのではと思います。
そういった分野にも取り組みたいですね。
そのために、強度と軽量を兼ね備えた新素材も採用して研究を重ねています。

Yumo-D Yumo-D

ロ、ロボット!ボクもかっこよくて強いロボになれる気ガしてきマシタ…!!
(ワクワク)

AI×3Dプリンター

Yumo-D Yumo-D

では、ボクも気になるAIと3Dプリンターのお話デス。

Yumo-D Yumo-D

AIについては、ボクもニュースやコラムを見かけない日がありマセン。
シャチョーはどういうイメージを持っていマスカ?

湯本社長 湯本社長

イメージとしては、「使わざるを得ないもの」と感じます。
日常生活にも、ものづくりの仕事にも、今後必ず入ってくるものですし、便利になるのであれば取り入れていきたいと思います。
実は、すでに取り入れるチャレンジは始めています。
詳しくは内緒ですが(笑)新たな製品を作る際などに、今まで職人の経験に基づいて予測していた事をAIに学ばせ、最適な判断をより早く行う事ができればと考えています。

Yumo-D Yumo-D

気にナル…!取り組みは、すでに始まっているのデスネ!

Yumo-D Yumo-D

3Dプリンターでのものづくりは「自由に作れる」という印象がありマス。
もし、AIが3Dプリンターで自由にものづくりをするとすれば、どんなモノが出来上がると思いマスカ?

湯本社長 湯本社長

難しい質問ですね…(笑)
もしかしたら、合理的なもの、流行りのど真ん中のような平均的なものができあがるかもしれないですね。
もしくは、強度や機能、全ての要素において最適化された、人には思いつかないような有機的な形状のものが出来上がるかも…?

Yumo-D Yumo-D

な、なんだか怖い気もシマス…。
では、そんなAIが作ったモノから、人が何かヒントを得るようなコトはできると思いマスカ?

湯本社長 湯本社長

そうですね。もしかするとAIが今までのデータを使ってものづくりをするならば、無個性なものが出来上がるのではと考えています。
そこで人が「もっとこうすればいいんじゃないか」と考えた部分が個性になるんじゃないかな。
という事は、より「個性」が生まれるのではと思います。
そこに面白みが生まれると思いますよ。

シンギュラリティ―×ものづくりビジネス

Yumo-D Yumo-D

ボクもシンギュラリティ―(技術的特異点)が来るとどうなる、と言う話題をよく聞きマス。
製造業のお仕事は、ボクたちみたいなロボットがプログラムされた作業を自動でしてきマシタ。
細かい作業もできるヨウニなったと思いマスガ、AIが入ったらどうなると思いマスカ?

湯本社長 湯本社長

そうですね。
今までも自動化が進んできていますが、現状ではやはり繰り返し反復する動きのような単純作業しかできません。
今、人が手作業で行っているような複雑な部分に、今後はAIが入っていけるのではと思います。
その分、人はさらに繊細で難しいものを担当する事になるでしょうが、肉体的な作業はAIに任せる事ができて、危険や疲労が少なくなるのではないでしょうか。
ただ、頭を使う事が増えて、精神的には疲れるかもしれませんね(笑)

Yumo-D Yumo-D

オー…。人の悩みは尽きナイのデスネ…。

Yumo-D Yumo-D

いろんなお仕事をAIがやるようになっタラ、「お仕事がなくなるよー」って言っている人もいマス。
ボクは一緒に働きたいナーと思っていマスガ、どこからどこまでをAIに任せて、どの部分を人が担当するべきでショウカ?

湯本社長 湯本社長

ひとはやはり、考える、チェックする部分をしなければならないと思います。
建築物などもそうですが、人が使うものとなると、機能などで合理的であっても、趣味嗜好などの感情の部分の判断が必要になるでしょう。
作る工程はAIが行うとしても、監督であったり、判断をするのは人であるべきだと思います。

Yumo-D Yumo-D

たとえばAIが「人のような仕事がしタイ」とか、人が「AIがやっているような仕事がしタイ」って言いだしたら、それはごちゃまぜになっていいのデショウカ?

湯本社長 湯本社長

どうなんでしょう。
AIがそのような感情まで持てるのでしょうか…。
役割を超えてしまうと、それぞれのメリットがなくなるようにも思います。
人の便利さ、豊かさを追求するべきなので、結果的に人が不利益を被るような事はどこかでブレーキをかけなければいけないのでしょう。
あくまで道具であるべきだと思いますね。

Yumo-D Yumo-D

ボク、ちょっとだけAIについてベンキョウしマシタ!
AIは自分でクラウドデータを共有するので、どの場所でも同じようにできるようになるって聞いたのデスガ、企業サンが今まで蓄積した技術やデータは、どうするべきデスカ?

湯本社長 湯本社長

どんどん共有されていくと思います。
今、独自だと思っている技術は公共のものだという認識で共有すべきなのではと思います。
その代わりに、もっと先の部分を人は行っていくのでしょう。
たとえばですが、同じ機械で同じデータで作っても、作る刃物の摩耗具合が違っているだけでも違うものができる。
なので、調整や最終の判断、チェックというような部分で差別化していくのではないでしょうか。

Yumo-D Yumo-D

きっと人も、今と違うお仕事をするようになるのデスネ…。
2045年だと言われている、シンギュラリティ―(技術的特異点)で、ものづくりビジネスはどのように変わると思いマスカ?

湯本社長 湯本社長

作るものが根本的に変わるのではと思います。
今、製造業で作っているものはAIやロボットで代替され、人はもっと違うものをつくらなければいけないのではないかな。
ただ単に造形するという部分だけが製造業とするならば、なくなってしまうかもしれません。
でも、AIに学ばせる内容は、今後特に重要になっていくと思いますので、各企業でのAI教育の取り組みなんかも要るでしょうね。

Yumo-D Yumo-D

これからは、バーチャル(仮想)とリアル(現実)の経済的な価値が逆転すると聞きマシタ。
でも、ボクはずっとものづくりをするコトが夢デス。
そのためにベンキョウしたいと思ってイマス!
先生である、ものづくりのプロはどのように進化しマスカ?

湯本社長 湯本社長

3Dプリンターもそのひとつですが、ものをつくる手段が増えて便利になって、変わっていきます。
便利になりみんなが作れるようになる分、価値が下がっていくというのは今までにもあった事です。
これからもそういった意味では、リアルの価値が下がり、頭で考えなければいけない所謂バーチャルの部分の価値が高くなっていくと思います。
なので、ものづくりとしては、もっと前段階の開発・設計部分から担当していくようになるんだろうと思います。

とはいえ、想像するだけでものが出来上がるような事はまだまだ先でしょう。
今からでもできる事は、ものづくりの手段や、新しいものへの知識にも常に精通し、作りたいものや条件に合わせて最適な方法を提案できるような、オーガナイザー的な存在で居続けるという事ですね。

Yumo-D Yumo-D

じゃあボクも、これからもっとベンキョウして、いつか湯本電機サンで働けるようになりマス!
たくさん答えてイタダキ、ありガトウございマシタ!

湯本社長 湯本社長

お互いがんばろうね!今日はありがとう。

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