3Dプリンターで出力するためには元となる3Dデータが必要です。
3Dデータを作成する手段は主に2つあります。
3DCADと呼ばれるソフトを使って3Dデータを作成する方法です。
代表的な3DCADソフトはAutoCAD、CATIA、SOLIDWORKS、Fusion360です。1から設計してデータを作成できるのはもちろん、2D図面しかない場合や現物しかない場合でも、図面を参考にしたり現物を測定したりすることで3Dデータを作成できます。ソフトを使いこなすことで自由度の高い形状を作成できます。
CADの種類は多くありますが、作成手順はどのソフトを使っても基本的には同じです。下書きを書いて必要な寸法分肉付けする、逆に必要な肉厚を残してカットするの繰り返しです。
ここでは下記のような形状のデータを作成する場合の、基本的な手順を説明します。
まずベースになるスケッチを書きます。
押出ボスコマンドで厚みを設定すると、厚みが反映され、2次元だったスケッチから3次元のモデルに変換されます。
逆にカットしたい場合も同じ手順です。例えば、スケッチで丸を書いて、コマンドでカットを選択するとスケッチの形にあわせて肉がカットされます。
今回は丸ですが、スケッチを四角にすれば、四角形の穴になります。スケッチの形にあわせて肉をカットできます。このようにデータ上で削ったり足したりを繰り返して目的の形状に近づけていくのが3DCADでのデータ作成です。
毎回スケッチを書いて、押出、カットの繰り返しだと時間がかかるため、それぞれ3DCADには短縮コマンドが設定されています。例えば、必要な肉厚を残して、カットするシェルコマンドを使用すれば、内寸のスケッチも深さの設定も飛ばして一気に肉抜きできます。
他には、バカ穴をネジ穴に変換するコマンドなどがあります。通常のやり方でネジ穴を切ろうとするとネジ山のスケッチを下記、そのスケッチを螺旋形状にカットしていく必要があります。ネジ穴のコマンドを使えば、自動でスケッチとカットまで自動計算されます。
その他同様にコマンドを使っていくことで、冒頭のように形状を作ることができます。今回使用したコマンドは「押出ボス」「押出カット」「ネジ山」「シェル」「フィレット」です。
3Dスキャナーを使って現物の形状をスキャンして3Dデータを作成する方法です。
現物と3Dスキャナーがあれば簡単に3Dデータを作成することができます。ただ、スキャンされたデータは実際にはない凹凸や穴、余計な部分があったりと完全なデータではありません。そのためスキャンされたデータを修正する作業が必要です。
3Dスキャナーは点の集合でデータを作成します。点と点の間隔は分解能と呼ばれ、間隔が短いほど精度の良いスキャンができます。点と点の間は本来ブラックボックスなので、分解能が低いとあくまで近似値を用いた予想形状になるため細かなディティールを再現できません。
3Dデータには様々な拡張子があります。拡張子は大きくネイティブデータと中間データの2種類に分類されます。
ネイティブデータはデータの作成や設定を行ったソフトウェア特有のデータ拡張子です。他ソフトでは扱うことができず、3Dプリンターも例外ではありません。中間データは各ソフトウェアでやり取りができるデータ拡張子です。
現在主流となっている拡張子は「STL」という中間データで、ほとんどの3DプリンターはSTL形式を使用して出力されます。STLは元々3Dプリンターで出力するために開発された拡張子で、曲面などで構成される3Dデータを簡易化して3Dプリンターで出力しやすくされた拡張子です。しかし、3Dデータの編集は難しいため「STEP」や「IGES」といった別の拡張子でデータを編集した後にSTLに変換します。
DDD FACTORYの提供する3Dプリンター出力サービスは、樹脂・金属素材から最適な加工条件での部品製作をご提案させていただきます。データがあれば最短見積もり30分以内、最短当日出荷での対応が可能です。工場の状況などにより特急納期が不可の場合もありますが、試作・製作依頼先の候補として考えていただければ幸いです。
2D図面、現物からの製作も承ります。3Dデータを用意できない環境の方や手間を減らしたい方向けに、3Dデータ作成代行オプションもご用意しております。製品開発の試作、部品の製作は当社にお任せください。素材選定のご相談から対応しております。お気軽にご相談ください。